勿 忘 草 ー記憶喪失の恋ー【上】


廊下を先生と歩くと、皆の視線があたしに注目した。


「さぁ、入って。」


中に入ると、先生はあたしを机まで連れて行ってくれた。


「ここが桜小路さんの机。」


「はい…」


「「絆奈ー!」」


ビクッ!


「こら!橘さん!水樹さん!」


「だってぇ、久しぶりに絆奈に会えるんだもーん。」


「ねぇ、絆奈?」


知らない女の子はあたしの肩の周りに手を回してきた。

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