勿 忘 草 ー記憶喪失の恋ー【上】


「ねぇ。その汚い手、退けてくんない?」


「あ?」


「希夢…」


希夢が腕を組みながら壁にもたれかかっていた。


いつもとは違う鋭い目つきをして。


「その子、俺のだけど。」


「なんだよ…男待ちかよ…」


「男待ちなら早く言えっつーの…」
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