勿 忘 草 ー記憶喪失の恋ー【上】


男の子はそっと片手を握って、もう片方の手をポケットに入れた。


ポケットから何かを取り出して、私に渡してくれたんだ。


「これあげるから泣かないで?」


男の子がくれたのは飴玉3つ。


「僕はイチゴ味が好きなんだけど、男の子がピンクってちょっと恥ずかしいんだよね。なんで水色の飴でイチゴ味がないんだろう。どこ探してもないんだよね。なんでだろう。」


「ぷっ…」


「あ、笑った!」


「だって面白いんだもん。」


「えへへ♪」


「名前はなんてゆーの?」


「僕はね、」

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