勿 忘 草 ー記憶喪失の恋ー【上】


肩に力が入らない…


左手で右腕をさすった。


「何をするの…!?」


「お前の婚約者は俺だ!」


「ごめん…ごめん…」


「なんであいつなんかとキスするんだよ…!」


亜蓮はまた構えて私の顔を狙って来た。


避けようとして、後ろに一歩下がった。


けれど忘れていたんだ。

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