戦争と書いて“こい"と読む
2.待ち人あり
次の日にすぐなり、自分のクラスの2Aを見つけてクラスにはいる
私は半分閉じかけた目を開けて大きな溜息を付いた
「ふぁー…」
「あ、未月の幸せゲット」
「わぁっ、返して!幸せ!」
そんなくだらないやりとりのできる相手が私の目の前に登場
「凛ー…今日も可愛いネ」
「当たり前」
「さすが、女王様」
凛は小さく笑って私に顔を近づけた
そしてぼそぼそっとある名前を発する
「渚センパイって知ってる?」
「…先輩?」
「ありり?渚悠斗先輩だよー?」
“三年B組渚悠斗、帰宅部所属
無気力なのに儚そうな表情とクールな発言が人気
でもよく歳の差で熱愛、同性愛等の謎の疑惑が浮き上がる”
「…っていう先輩」
「・・・すご、」
あの人先輩だったんだ
・・・ってことは後半年くらいで卒業じゃん
うわぁ、進展できるのか?
そんな不安を抱えつつ凛の話を聞いているとおでこにピシッと指が弾かれた
「いたッ!」
「で!今日その渚センパイに会った訳でありまして」
「…ほんと?」
「うん♪」
クイッと顔を私に近づけてにっこり言う
「惚れた?」
「別に!」
「…あ、そう」
じゃあ、何故こんなにテンションが高いのだろう
そんな理由も聞こうとは思わずふいっと顔を背けると
ガラッ
「どうもー、このクラスに叶ちゃんいない?」
・・・誰だ、あれ
金髪でピアス?まだ私等中学生じゃ無かったけ?
制服のボタン無いし…校則の意味無いじゃん
隣で凛が私の袖を引っ張って目をキラキラさせていた
あぁ、凛はこの人に惚れたんだ
そんな事を考えていると肩を叩かれた気がした