あの足があがるまでに
綺麗。
そうとしか言いようのない。むしろ、それしか言葉がでてこないのだ。とりあえず返事をする。
「大丈夫・・・・です・・・・ご迷惑をおかけしました・・・。」
「あらっ・・・こんなに足が腫れて!学校大丈夫かしら、いいわ!ちょっと中入って。」
予想外の展開に驚いた。ずっと、怒られるんじゃないか、学校に通報されるんじゃないかとびくびくしていた。それなのに。
通りすがる同じ学校の人でさえ助けてくれなかったのに。
この人は、自分の家の前に勝手に人が倒れてても怒らないうえに、処置までしてくれるというのか?
いや、何か裏があるのかもしれない。
でも、この人の少し焦ったような顔をみると疑うことなんてできなかった。