あの足があがるまでに
焦り
「あっ・・・」
その声と同時に俺は尻もちをついた。右足の足首に痛さが走る。なんだか、内側から電気が走るような痛さ。こんな痛さ、感じたことがないくらいに痛かった。
「大輔ぇっ!?」
「大輔君!?」
上からの2人の声。必死に俺に話しかけているのだろう。ああ、俺は尻もちをついたんだっけか。つい俺は自分を失ってしまっていた。
そして大丈夫だよと言って起き上がろうとした瞬間。
「・・・・・!!」
足に力を込めたその時。さっきよりも何倍もつらい痛みがきた。
「だ、大輔!どうしたのっ!」
「あぁ!本番までもうあと1時間もないぞ!早くアップしないと・・!」
「あ・・・・足が、痛いんだ・・・・・」
言えた。でもなんで今になっていきなり右足が痛いんだろう。
「えっ・・・足が痛い?・・・・」
「なっ・・それは!ちょっと足を見せろ大輔!」
俺は痛い足をみせた。よくよくみたら紫色になって大きく腫れあがっている。あれ・・これはいつかの状況と似ている・・俺の直感がそう告げた。