あの足があがるまでに
それから俺たちは毎日全ての休み時間に廊下で会い、喋ったり遊んだりしていた。お互い小学校感覚で、友達だとしか思っていなかったのだが、毎日一緒にいることで俺たちの変なうわさもちらほら。

たとえば、「2人は付き合っている」だとか「小さいころからお風呂も一緒に入る仲」だとか「一緒のサークルに入ってる」だとか。

どれもでたらめなのだが、やはり噂。広まるのは早い。

のちに俺と沙良の耳にも入る。ある日の休み時間に沙良が怒った顔でつかつかとやってきた。

「なな、なんだよ。怒った顔して。」

「噂・・・のことなんだけど」

「ああ、あれ流したのって1組の○○なんだろ?最低だよな」

「そうじゃなくてっ!」

「そうじゃなかったら何なんだよ」

つい怒ったような声で言ってしまう。



「噂・・・本当にしたい。」

「・・・え?」

「だっだから!その・・・一緒のサークルに入ってるっていう噂・・・」




がくり



「二人は付き合ってる」っていう噂もあるから告白かと思った・・・無駄な期待しちゃったよ・・・。


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