せんせいのせなか
「お、照れてる照れてる」
「っ照れてませんから!」
カァッ、と顔が赤くなる。
けれど、夕日のせいと、ベタに言い訳を自分に聞かす。
「はいはい、あ、貸して」
「…どうぞ」
口をとがらせて、そっぽを向く。
「よし、完成!」
大きな望遠鏡はオレンジの空に向かって立った。
「…先生、望遠鏡の組み立て方知ってるんですね」
「まぁな。星好きなんだよね、俺」
「……へぇ」
「興味なさそうだなお前」
「そんなことないですよ」
先生は苦笑いであたしに突っ込むと望遠鏡のレンズをのぞき込んだ。
「あーあ、流れ星見たかったな」
「…また、流れるんじゃないですか」
「…だよな。また次の機会があるか」
残念そうに笑った先生は、また柵に乗りかかった。
「落ちますよ…先生」
「大丈夫だって」
……なんか、自由な人。