せんせいのせなか
つられて、あたしも柵に乗りかかる。
「…、ていうかさ、お前靴下のままだぞ」
「あっ。…本当だ。……はあ」
まあいいや、と投げやりになる。
柵の上に頬杖をついて下のグラウンドを見つめた。
走り込む陸上部とキャッチボールをしている野球部。
ボールパスを繰り替えすサッカー部。
「…楽しそう」
ふいにこぼれた。
こぼれた言葉を聞いたのか、先生は「青春だなー」とつぶやいた。
「いいよな、青春。俺ももう一回したい」
「ははっ…何言ってるんですか」
言葉の次は、笑みがこぼれた。
すると、先生は「おっ」と驚いた声を上げた。
「笑った!」
「……は?」
いきなりで、口をぽかんと開けて先生を見つめた。
オレンジに染まった先生はキラキラとした笑顔で言う。
「お前、学校じゃ全然笑わないんだから」
「…えっ?」
また、不意打ちをつかれる。
……そんなに、笑ってないの…?あたし。