せんせいのせなか






コツコツとローファーを鳴らしながら登下校の道を歩いていると、大きな荷物を持った高3の先輩たちがいた。



(―――?あれ、まだ行ってな「ふざけんなコラ!」



大きな怒声が聞こえて思わず肩をすくめた。

声が聞こえる方を見ると、ぎょっ、と目を見開いた。



「お前マジでなめてんだろがァ!」

「うるせぇな!黙ってろ!」



どうやら、喧嘩をしているようだった。

数人いるうちの一人の先輩が修学旅行の鞄を持って怒鳴っていた。

周りの人も、どうどうとなだめる。


すると、その先輩よりもキレている男の子は先輩の胸ぐらを掴んだ。


(うわっ…!)


止めなきゃ、と思っていると、相手の先輩がその男の子を殴り飛ばした。

一瞬でその場が静かになる。



「…関係ねぇ奴が口はさむな」



ギリギリ、あたしに聞き取れる声でその先輩は言った。

そして舌打ちをしながら走って学校のほうへと向かっていった。



「…クソッ」



ドン、と殴られて座り込んでいた男の子は拳でコンクリートの地面を殴った。






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