せんせいのせなか
――――――――――
―――――





外で、いつもより人の少ない野球部の走り込みをしていた。

グラウンドでは、またいつもより少ないサッカー部が、試合をしていた。


そしてあたしは、校舎内で2枚の反省文を書いている。

その隣には、まだかさぶたにもなっていない傷を口の端に残して、ずっと外を見ている男の子がいた。



「…あの、反省文書かないの?」

「めんどくさい」



そう言ってずっと外を眺めている。

(いや、書いてくれないとあたし部活行けないんだけど…)


生活指導の先生に、互いに書き終わるまで帰らせないとお叱りを受けたのだ。

もちろん、朝の遅刻を含め。

隣の人は、遅刻と怪我を含め。



「あの、ひとつ聞いてもいい?」



無言なので、聞いてもいいと勝手に解釈する。



「なんで、喧嘩になったの?」

「関係ねぇだろ」



そう言われたら、何も言えない。


(どうしよう。部活行きたい先生に会いたい早く屋上に…!)


気まずい雰囲気が流れる中、ガラリと指導室の扉が開いた。






< 19 / 21 >

この作品をシェア

pagetop