せんせいのせなか






内心涙目になりながら、再び席へと座る。

すると、ひそひそとした声が聞こえた。



「ほらやっぱダメだって!香椎さん彼氏とデートだよ…!」

「えっ、彼氏いるの?…援助交際で忙しいんじゃないの…?」

「違うよー、香椎さんは一人がいいからそういうの面倒くさいんだって。察しろ!」



(…別に、彼氏いないし援交してないし、一人が好きじゃないしみんなと仲良くなりたいし…!)


ふるふると手を振るわせる。


しかし、もうしょうがないなと内心でつぶやいた。






それが、あたしだ。





そう自分に言いつけた。


友達は作れない、上手くしゃべれない、感情表現が表に出ない。






「本当、何なんだろ…自分」




惨めで泣ける。


深いため息をついて、あたしは机の上に突っ伏した。








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