うさぎと狼




「そういえば愁にぃ今日は起きるの遅いね」


愁にぃは20歳で大学二年生。しかも県内で一番頭のいい大学。私も尊敬しちゃう…!


「あぁ、今日は講義が午後からなんだ」

「そうなんだ!」

「うん。蜜乃は今日入学式??」


愁にぃは多分お母さんが用意しておいてくれたであろうコーヒーを手にとりながら聞いてきた。



「うん!!愁にぃの後輩だよぉ♪」


そう。

私は愁にぃが二年前に卒業した高校、雨ノ宮(アマノミヤ)高等学校に入学する。



「そっかー…。蜜乃もついに高校生かー」

「愁にぃ言い方がおじさんみたいだよっ」


妹の私が思うくらい愁にぃは格好いいのにたまに出るおじさん口調はもったいないよ。







そんな清々しい朝をゆっくり過ごしていると…



「蜜乃ー、もう40分よー??大丈夫なの??」


キッチンからひょっこり顔を出しながら言うお母さんの言葉に動きが止まる。







「…きゃー!!!ちちちち、遅刻ー!!!」




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