俺の席
すべてを知った今
何がこの先いい人がでるだよ・・・。
笑えないよ。

鳴海が一番好きなのに・・・。」


涙が雪に溶けてゆく。
それを見ているとなんだか心地良かった。



まるで・・・





鳴海への思いが



どんどん



雪のように



溶けていくような気がして・・・。




「鳴海・・・くん?」


不意に声をかけられた。
振り向くと、
ふらふらとこっちに歩いて来る由井だった。


「だ・・・大丈夫?」

「んっ・・・なんか頭いたい・・・」

「今、水持ってくるから!!」

「・・・うん」



食器棚からコップをだし、
水道の水を入れた。


やけに透き通って見えた。
この水のように、
由井への気持ちも本人に伝わるぐらい透明だったらいいのに・・・。


「鳴海くん、まだ??」

「ごめん、今持ってくる」


少しひんやりとする水を
由井に渡した。
由井はコップぎりぎりまで入った水を半分ぐらい飲んで、すぐにあたりを見回した。


「あっ、広村ならベランダだよ」

「えっ・・・」


由井はベランダへと走った。

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