俺の席
広村の家から俺んちまで30分程度だ。
近くもないし、
遠くもない。

ただ、
俺がもし
あと5分早く広村の家を出ていたら、
この由井の告白は聞けていなかったのであろう。





「由井・・・・本気?!」

「うん・・・・」


由井の瞳には、
なんの迷いもない
吸い込まれるような瞳だった。



「あぁーーーーーー」

「!!」


頭を抱えしゃがみこんだ俺におろおろする由井。
手の隙間から由井が見えた。



「俺から言おうと思ってたのに・・・。」


「・・・なっ・・・」


「俺も由井の事好き。」






顔は今までで一番赤かったと思う。
緊張は今までで一番ハンパなかったと思う。






それから、由井が俺の隣にしゃがみ込み

「また月曜日も鳴海くんの席に座ってもいいですか?」






「もちろん」














白い雪は
俺たちを歓迎するかのようにふわふわと降った。

俺はこの雪に誓う。
---絶対、由井を離さない


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