世界が廻って君と出逢う
久しぶりの大輝のいない帰り道。
寂しく一人帰っていると、見覚えのある顔がすぐ横に。
「あ、雪乃」
「あ、直也」
雪乃に偶然出会った。
7月に入って、間服になり、雪乃はダサい制服も可愛く着こなしていた。
俺ってラッキー…
「今帰り?」
「うん…まぁ…」
「「…」」
あれ…
なんだ?この空気…
「えーと…一緒に帰る?」
帰れたらいいなーなんて、ちょっと言ってみた。
「え!?」
「大輝、今日彼女と一緒で、俺一人なんだ。…駄目…か?」
「いや…全然!」
よかった。
何だか、雪乃は素っ気ないから俺のこと嫌いなんだと思ってた。
話しかけても、返事だけだったりだから…
まさか一緒に帰ってくれるなんて。
誘ってよかった。
「帰ろ?」
「うん…」
あの、始業式いらいだ。
二人きりになるなんて。
いつも大輝がいたからなー。
ある意味大輝は邪魔者だったのかもね。
でも、雪乃は俺の一歩後ろを歩いている。
なんで?
「雪乃?」
「なっ、何っ!?」
「いや…」
何だ、この慌てようは…
やっぱ俺のこと嫌い?