世界が廻って君と出逢う
昔からある、前世の記憶。
これが前世のモノだって気がついたのは、小学生3年の時だ。
物心ついた時から、記憶の内容は知っていた。
でも、それが前世の記憶だって思ってもなかったんだ。
記憶がはっきりし始めた時、俺は昔の記憶が残ったまま転生したことに気がついた。
だから俺は、昔の自分と同一人物って訳。
前世を思い返えさない日はない。
四六時中、記憶が俺に付きまとう。
だから俺は、それを意識して過ごすようになった。
昔と今の代わりようは、いつ考えても不思議に思うことばかりだ。
例えば、記憶があるせいか、未だに冷蔵庫や、洗濯機を見ても感動する。
前世の俺は、江戸時代らへんの人間だったみたいだから、そんな便利なものなんてなかった。
物も、食い物も、世の中も、人も、随分と変わってしまった。
今、俺もこの世界の者だけど、記憶と重なり、少し自分だけ置いていかれた気分になる時がある。
記憶が有ることは、もう慣れた。
でも何時までも慣れてくれないのは、コノ世界に君はいないという現実━━…