だけどこの恋は
水溜まり
守らなくちゃな
なんて思っていた。
助け出さなくちゃな
って、考えていた。
大丈夫です、っていう
あの子の声が
何回も掠れて聞こえて、
俺はまた耳を塞いだ。
大丈夫じゃないくせに
なんとかします。
って笑って、ふわりとまるで
あの日のマフラーみたいに。
くすぐったくして、こんな俺を易々と通り抜けて見せる。
平気ですよ。
このくらい、私堪えれますし、
それに先輩、私はまだ潰れてないでしょ?
その言葉が、どうしてもあの子の演技にしか見えなくて
また酷く、お節介な血が騒いでしまう。
瞬間、なんとかしてやりたい
と、思った。
あの嘘つき娘が、くっと、声を殺して、作って、いつもと違って余裕なさげに、
それでも笑って言ったとき
なんだかこちらまで胸が苦しくなってしまったんだ。