cool prince










「じゃあー……苺タルトで」

「………」

「…………あれ、陽介先輩?」

「……っ!ああ、」

「私、苺タルトにします」

「……それじゃ、俺は………モンブラン」





俺達の決まった様子に気づいた店員はすぐさまこっちへ近づいてきた。



……………男か。








「えっと、苺タルトとモンブラン下さい」

「お飲み物はどうなされますか?」

「へ?……あ、!先輩何にしますか?」

「コーヒー」

「じゃあ、私は紅茶で」

「畏まりました」





男の店員は笑顔を振り撒き、メニューをはるから受け取って去っていった。



……ああ、嫉妬か。




俺はあの男に嫉妬をしたらしい。


………ただの店員だろ。








「どうかしました?」

「…何が」

「や、何か、怒ってる、感じ、…?」




恐る恐る、俺の様子を見ながら聞くはる。





…………嫉妬した、だなんて、言えるわけがない。



彼氏でもないのに。





………そうだ。

もしかしたら、もう既にはるには彼氏が居るのかもしれない。






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