cool prince
返事を中々しないはるに俺は少しだけ苛々してきて、そして自然と眉間に皺を寄せていた。
はるはそんな俺の表情に「はっ…!」と気づき、「へへ、返事しなくちゃ駄目ですか……?」と涙を浮かべながら言う。
………そんなに俺の顔が怖かったのか。
「…………出来れば、今」
「うぅ……」
「………」
「………」
最悪な空気だろこれ。
はるは真剣に悩む様子で、時折「でも…」と呟いている。
俺は椅子の背もたれに全体重をかけ、手を膝の上で組んで待っている。
俺のそんな様子に、はるは俺が苛々しているのだと勘違いして余計に慌てた。
「ゆっくり考えろ」
「……好きか嫌いか、は……はっきりしてるんですけど……」
「………それ以外に、何の問題があるんだよ」
「や、だって……」
……やっぱり、あれか。
金持ちと庶民が付き合ったら、ってやつか。
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