cool prince
────………不二会長と、相良副会長だ。
この学園の生徒会長の不二勇一郎先輩と、副会長の相良陽介先輩。
不二先輩はその格好良さと明るい性格で、女子生徒から『王子』と呼ばれている。
相良先輩は、整った顔立ちにクールな雰囲気を漂わせていて少し近寄りがたい。
………あの二人、幼馴染だって聞いた事あるけど……。
正反対だよね。
「この前さ、パーティーに行ったら王子居たんだ!でもやっぱ女に囲まれてたんだけど…」
「やっぱ凄いんだねー。生徒会って……」
「うーん、でも私は相良先輩はちょっと怖いかな…」
「…怖い?」
「え、怖くない?」
「……うーん……まあ近寄りがたい感じは、あるけど」
「………はる、好きなの?」
「へ」
「相良先輩」
「……どこからそんな話が」
「だよねー!」
千紘が「相良先輩の事好きな女って、皆年上だしねー!」と笑うのを聞きながら、私は窓から、相良先輩のその整った顔立ちをじっと見つめていた……。
─
「はぁー、食った食った!」
「千紘、おじさんみたい」
「何おぅ!?」
私はピチピチの女子高生だー!と両手を上げながら騒ぐ千紘に「分かってるよ」と笑いながら言うと……
.