cool prince











「はる、はる!」

「何?」




お母さんが慌てた様子で私に手招きをする。




朝から何事…?








「あ、あれ俺が昨日見た車だ!」

「何っ!?じゃ、じゃあ……あいつか!はるの、おお、男は!」

「やだっ、結構なお坊ちゃまねぇ!」






………まさか!







昨夜のメールを思い出し、私は頭を抱えた。




本当に迎えに来ちゃった感じですか!







急いで玄関から出て、車の前に行く。



玄関の扉から、お母さん達がこっちを覗いているのが分かった。










「ちょ、先輩!」

「おはよう、はる」

「あ、おはようございます……」



って、呑気に挨拶してる場合じゃない!




車から降りてきた先輩に、私は少し叫ぶように言った。







「むむむ、迎えは、良いって、メールしましたよね…!?」

「………はるは俺と一緒に登校したくねぇのか」

「……へ」






その瞬間、しゅん、と落ち込む素振りを見せる陽介先輩。



……そそそその顔は………ややややめて下さい……!





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