cool prince
母性本能をくすぐられ、あうあうとたじろぐ私。
やめてくれ……!
「あらあらどうも!」
「っ!」
「はるさんのお母様ですか」
「うちの娘がお世話になってます」
その時、私の後ろから満面の笑みを浮かべたお母さんがやってきた。
先輩も微笑みながらお母さんに挨拶をする。
な、何これ!
「いえ、僕の方こそお世話になっています」
「はるのこと、よろしくお願いしますね」
「はい」
「ちょ、お母さん……!」
「あら、早く学校行きなさい!」
「へ、」
「ほら、彼氏さんと一緒に行くんでしょ!」
はい、とお母さんに鞄を渡され、「失礼します」とお辞儀をする先輩にずるずると引きずられながら連行される私。
………はっ、!
ななな成り行きに任せて車に乗ってしまった……!
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