cool prince
「最っ低!意味分かんない!」
バチンッ
女の先輩の大声と、何かを叩く音が聞こえた。
「えっ、!?」
「な、何今の…」
千紘と二人で辺りをきょろきょろと見渡していると……
大きな木があるところから、泣きながら大股で歩く綺麗な女の人が見えた。
……さっきの、この人かな。
じっとその人を見ていると、その人はキッ!と私を睨みつけ「何よ!」と言わんばかりにきつく目を細めた。
「っ!あ、ご、ごめんなさい、」
「……別に、謝らなくたって良いわよ!」
少し大声になりながら、去っていく先輩。
………はー、びっくりした。
「っ!はる、はる!」
「え?」
千紘が制服をぐいぐい引っ張るので、私は千紘の目線の先を追う。
……………あ。
その視線の先には………。
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