cool prince
「陽介先輩が、私なんかと付き合って……やっぱり、女子は良い気分にはならないと思うし、」
「……それ以上言うな」
「え、なん………っ!」
何で、と言おうとすると、先輩は私の肩を抱き寄せて、ぎゅっと抱きしめた。
………温かい。
「はるが嫌な思いしてまで、付き合うのは……正直、俺も辛い」
「っ!だ、だったら、」
「でも、俺ははるが好きだ。手放すわけねぇだろ」
そのくらい、俺だって覚悟してる。
そう言って、私の頭をぽんぽんと撫でる先輩。
…………本当に、この人は優しいんだ。
私はその優しさに触れて、嬉しくなって「ふふっ」と笑みが零れた。
「人が真剣に話してる時に何笑ってんだよ」
「っ!ごめんなさ、」
謝ろうとすると、陽介先輩が笑っていることに気づいてやめた。
………笑顔、可愛い。
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