cool prince










「はいはーい、そこの御三方ストップ!」

「あ、ふ、不二様……」





勇一郎の登場に、たじろぐ女達。






やっと来たか……。


毎回毎回、こうやって勇一郎が止めに入ってくれる。








「せっかく綺麗にしてきた化粧が崩れかけてるよ?」

「っ!いやー!」

「は、早く直さなくちゃっ!」

「お手洗いへっ!」






勇一郎の言葉に、あっさり去っていったあいつら。




もううんざりだ…。







「へい陽ちゃん!すっかり参っちゃってるね」

「うるせぇ」

「うぉっ、不機嫌MAXだ」

「ったく、毎日毎日……」

「まあ、ああいう高飛車な奴らは陽介とはるちゃんの事は黙って見てないよね」

「はるとは大違いだ」

「早速惚気っすか…」






昨日のはるを思い出す。





キスをしようと近づくと、恥ずかしそうにしながら目を閉じるはる。






拒まれなかった事が嬉しくて、俺はゆっくりと優しく唇を重ねた。










…………駄目だ。考えてしまう。



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