cool prince
─
「悪い、遅くなった」
「いえ、大丈夫ですよ」
校門ではると待ち合わせをし、一緒に帰る。
昨日車で一緒に帰った時、はるがぼそりと「放課後デートとか…なんて」と呟いたのを覚えていた俺は、それを今日実行することにした。
はるはさっきから、満面の笑み。
放課後どこかへ歩きながら行く、なんてことをしたことがない俺は、嬉しそうなはるを見て俺まで嬉しくなった。
……初めてのデート、だ。
「先輩はどこに行きたいですか?」
「……正直、学校周辺は良く分からない」
「えっ、そうなんですか!?」
「学校終わったらすぐ帰ってたからな」
「それじゃあ………駅周辺とか、行ってみましょうか」
「ああ」
楽しそうに俺の少し前を歩くはる。
俺ははるの隣に行き、そして手を繋いだ。
.