cool prince
「……彼女の、はる」
「あ、どうも。立花はるです」
ぺこ、と頭を下げるはる。
その瞬間、生徒会から「おぉ~!」と声が上がった。
「あー噂の!はるちゃん!」
「ほぉ~……」
瑛汰がはるを下から上まで観察するように見る。
その目をやめろ。今すぐにやめろ。
「ああー、大変よね…。でも、周りのことなんか気にしないで良いわよ!何かされたら、生徒会に遠慮なく言ってね?」
すると、後ろから生徒会メンバーで唯一の常識人である優花がはるにそう声をかけた。
一番まともで良かった…。
「あ…ありがとうございます。でも、今のところは大丈夫です」
「あらそう?私が手取り足取り対処法を教えてあげるのに……じゅるり」
前言撤回。
そうだ、こいつは女子が好きなんだった……。
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