cool prince








「あっはっは!やぁー、皆集まっちゃったね!」

「陽ちゃんがそそくさ一人で帰っちゃうからさー、私と瑛汰で後つけようって話になったんだ!」

「ほんなら、彼女とデートて!陽君水臭いわ~」

「何がだ」

「私達も一緒に行きたかった!」

「お前ら究極のKYだな…」





わざとらしく溜息をついても、こいつらに効かないことは重々承知だ。





はるは楽しそうに笑っている。





これのどこが楽しいんだ?










「そういや、二人はどこ行くのー?」

「あ、駅の…」

「いつものカフェだ」



はるが駅の周辺、と言いそうになったのを慌てて上から被せた。





絶対こいつらも一緒に来る気だ…!








「陽介あそこほんま好きやなー!」

「別に良いだろ」

「たまにはよそに行っても良いんじゃない?」

「そうそうー。俺らと一緒に!」

「死んでも嫌だ」




俺はそう言うと、「じゃあな」とはるの手を繋いでその場から逃げるように去った。





.
< 49 / 51 >

この作品をシェア

pagetop