cool prince
「あっはっは!やぁー、皆集まっちゃったね!」
「陽ちゃんがそそくさ一人で帰っちゃうからさー、私と瑛汰で後つけようって話になったんだ!」
「ほんなら、彼女とデートて!陽君水臭いわ~」
「何がだ」
「私達も一緒に行きたかった!」
「お前ら究極のKYだな…」
わざとらしく溜息をついても、こいつらに効かないことは重々承知だ。
はるは楽しそうに笑っている。
これのどこが楽しいんだ?
「そういや、二人はどこ行くのー?」
「あ、駅の…」
「いつものカフェだ」
はるが駅の周辺、と言いそうになったのを慌てて上から被せた。
絶対こいつらも一緒に来る気だ…!
「陽介あそこほんま好きやなー!」
「別に良いだろ」
「たまにはよそに行っても良いんじゃない?」
「そうそうー。俺らと一緒に!」
「死んでも嫌だ」
俺はそう言うと、「じゃあな」とはるの手を繋いでその場から逃げるように去った。
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