cool prince
「……あ、」
「あ?」
相良先輩の右頬は、まだ赤くなっていた。
…相当、強かったのかな。
「………頬っぺた、赤いですね…」
「……ああ、これは…」
「冷やした方が良いですよ」
「は?」
私は、側にあった水道水でハンカチを濡らし……
先輩の前にしゃがんで、右頬にハンカチをなるべく優しく当てた。
「…………」
「あれだけ大きな音がしましたもんね…。ていうか、ちょっと腫れてる?」
「……おい、」
「はい?」
「………何やってんだ」
「…っ!あ、ごごごめんなさいっ、水道水じゃ、嫌でした?」
「いや、」
「そそそれに、気安くハンカチなんかで冷やしてっ…あの、すいませんでした」
あああー…!おせっかいなところ出しちゃった!
しかも、よりによって相良先輩に……!
頭を下げて謝った後、頬からハンカチを離そうとすると………
逆に、先輩にその手を掴まれた。
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