脇役希望☆不良少女【おまけ追加】
とりあえず地図を持って教室に向かう。
重い。
重いよ地図。
『軽くなぁーれ。地図さん軽くなぁーれ。』
「山本さんの方が壊れてると思うんですけど。」
そう言う橋倉は
たくさんのプリントを持って歩いている。
今日の授業に使うプリントらしい。
まぁビッシリと文字が書いてありますよ。面倒くさいな読むの。
今日の授業は睡眠学習にしよう、と決意した。
そのとき
「有美ー。」
『あれ、マーヤ。どしたの。』
マーヤが小走りでやってきた。
「いや、ね。授業が始まっても有美も先生も来ないから、手伝おうと思って!」
にこやかに言うマーヤ。
『えらい!手伝って、重いんだこの地図!』
「うん、手伝うよー。」
そうして、私はマーヤに手伝ってもらいながら、地図を運んだ。
「使えるものは、最大限に利用しないと、ね。桜田 真綾……か。」
『橋倉ー。授業始まってんだってば!置いていくよー。』
「あぁ、そうですね。」
橋倉の笑みに隠された本性に
気づかなければならなかったのに。