脇役希望☆不良少女【おまけ追加】
「ごめん。ごめんね、有美。傷つけないためだったのに、最期に傷つけて……。」
『いや、だ。お願い……お願い。―――…死なないで。』
私の言葉を聞いたマーヤは、ふっと泣くように、柔らかく微笑んだ。
そして、
「有美、あたしね、黒髪の有美の方が好きだな。綺麗だもん。」
フェンスを掴んでいた手を、離した。
『マーヤ!』
私は急いで立ち上がり、走ってマーヤに手を伸ばす。
けれど
指先が少し掠っただけで、マーヤの手を掴むことはできなかった。
そしてマーヤは落ちていった。
私の目の前で
嫌みなくらい青い空の下に。