脇役希望☆不良少女【おまけ追加】
「なんでオメー、顔かくしてんだよ。」
『目立ちたくない。脇役希望だから。』
私が答えると、は?みたいな顔をする北橋。
「綺麗な顔してんのにな。もったいねーぜ?有美。」
『なぜ呼び捨てになっている。』
さっきまで転校生、転校生、転校生……。だったくせに。
いきなり呼び捨てですか。
「気に入ったから。」
『は?』
気に入ったから?
どこを?
平凡なのに、どこに気に入る要素があるんだよ。
「俺さー。気に入ったモノって欲しくなるんだよなー。」
『へー。』
「手にはいるまで諦めねーんだよなー。」
『へー……って、なんか近くないですか?』
いつの間にか至近距離にある北橋の顔。
北橋は私の耳に口を近づけ
「覚悟、しとけよ……?」
『っな……!』
そう、低音ボイスで囁いた。