脇役希望☆不良少女【おまけ追加】
『それだから、私はイジメに対して何も言わなかった。しなかった。』
「でも――」
華南が私をまっすぐに見ている。
落ち着かせるなら、今だろう。
私も華南をまっすぐ見る。
『人の気持ちを理解した上で物を言いなさい。そうすれば華南も理解してもらえる。
……華南は優しい人だから。』
私が微笑みながらそう言うと、華南は目を見開いた。
そして、華南は手を伸ばし、私の前髪を動かす。
私の素顔は晒され、華南は目に涙を溜めた。
『久しぶり、華南。』
「お、姉ちゃ…ん。」
華南はボロボロと泣き出した。