脇役希望☆不良少女【おまけ追加】
そして
学校の玄関まで走って来たとき
「あれー?有美ちゃんー?」
双子の片割れが、いた。
「ドコ行くのー?」
『……退いてください。』
私は立ちふさがるように、前に立っている双子の片割れに言ったが、どうやら退くつもりはないらしい。
そして、また同じ質問をしてきた。
「ドコに、行くのー?」
『――っ!良いから!退いて、皐月!』
追い詰められている気がして、逃げたくてしょうがない。
なので
無理やり皐月を押しどけて逃げた。
そんな有美の背中を見ながら、皐月は呟く。
「有美ちゃん……分かってたんだー。」
―――「ねー。僕たちの、見分けつく?」
―――『分かるわけないじゃないですか。』
「見分け……ついてたねー。だって」
―――『良いから!退いて、―…皐月!』
「ボクのこと皐月って言ってたもん。」
皐月は
愉快そうに笑みをこぼして、去っていった。