Rhythm! 〜花音と謡の恋物語〜
「音楽系なら…別に…いいけど…」
「そんじゃ、決まりだなっ♪」
宙音は嬉しそうに笑った。
宙音はよく笑う。
俺と違って。
俺は笑うことが出来ない。
感情が豊かじゃないわけじゃないのに。
きっと宙音はすぐに友達を作るんだろう。
俺は…俺なんかに、友達なんて出来るのかな。
「謡!謡!」
「…なんだよ…耳元で…」
「これ見ろよ!
俺と謡、同じクラス!」
宙音が持っていたのはクラス表。
俺の手にもクラス表があった。
知らない間につかんでた。
見てみると…本当だ!
宙音と同じクラスだ。
素直に嬉しい。
「1-2!
ここだよな、俺たちのクラス!」
「…多分…」
「よしっじゃ入るぞ~なんか緊張するなっ♪」
そう言いながら、宙音はドアを開けた。
ガラッ
教室の中を見回すと、知らない顔の奴がいっぱいいた。
まぁ当然だけど。
「すげぇーなんか。」
「…うん。」
なんかもうみんな仲よさそうだ。
「キーンコーンカーンコーン…」
ガラッ
「おーい、みんな席つけぇ」
入ってきたのは、30歳くらいの男。
多分先生だと思う。
「俺のことは松岡先生って呼んでくれー
この、1-2のみんなの担任だ。
よろしくなぁっ!」
なんかいい先生っぽい人だな。
よかった。