毒舌姫と俺様クールな王子様
アイス屋に着いた秋先輩は早速アイスを頼み、約束通り、私のアイスまで買ってくれた。
「あの、本当に良かったんですか?」
手に渡されるアイスを見て言った。
「ええって、先輩として、というより、口止め料やな。聖夜には言わんといてや?」
少し「おぉ、恐い恐い」とした後、ニタリと笑う。
「分かりました。まぁ、私もこれを食べたら、共犯ですけど。」
「あはは、そうやったな。共犯どうし、秘密やで?」
アイスを持ってない方の手で、指切りをさせられた。
「秋先輩、子供みたいですね。あ、そう言えば、さっき考えてたんですけど…」
「ん?何や?」
「私達の場所って、すぐ分かるんじゃないですか?」
秋先輩が「?」みたいな顔で首を傾げている。
「だって、バッチや、手帳で場所とか特定できるって、言ってませんでした?」
私がそう言うと、秋先輩は顔がみるみる青くなっていく。
「しまった………」
今頃気付いても後の祭り、帰ってからこってり長い説教が待ってる事は確定だろう。
「まぁ、元気出して下さい。」
秋先輩を元気づけている時だった。