毒舌姫と俺様クールな王子様
ピピッ…ピピッ…ピピッ…
私のバッチがいきなり鳴りだした。
マイクとイヤホンのスイッチを入れる。
あ、てゆうか、全部入れっぱなしだった。
とゆうことは、さっきまでの話しは向こうにダダ漏れ。
「あの〜瀬川ですけど…」
恐る恐る返事をしてみた。
『あぁ、アイスとはいいご身分だな。』
ひっ、完璧聞かれてた…
案の定水崎だ。
「えっと、あの、ご用件は?」
水崎が誤魔化される訳がなく、
『秋共々、仕事をさぼってアイス屋、…帰ってから楽しみだな?』
何かいつもと雰囲気違う。
「…………」
私が黙っていると、秋先輩はこちらの様子を伺っている。
『瀬川、秋に代われ。』
といきなり言われ、バッチを秋先輩に押し付けるように渡した。
(えっ!?俺?)
と口パクで伝えてくる秋先輩に頷く。
「秋やけど―…」
暫く何か話していたが、怒られている様子じゃなく、最後は秋先輩がニヤリと笑って、バッチの電源を切っていた。
「怒られなかったんですか?てゆうか、ニヤニヤ笑って気持ち悪いです。」
つい本心を明かしてしまったけど、聞いてなかったみたいで、まだ秋先輩は笑っている。