毒舌姫と俺様クールな王子様
嫌な予感は大体当たるとか言うけど、これは本当だと思う。
私は皆の視線が向けられた方に視線をうつした。
「キャーーーー、おはようございます。水崎様!!」
「今日も麗しいお姿で!!」
「…………」
…………………。
あ、もちろん、水崎は無視。
「相変わらずクールでいらっしゃるのね〜」
さっきまで一緒にいた女生徒はそう言い残し、人だかりに向かって走っていった。
「キャーー!!奏様〜〜!今日も素敵です!」
ニコッっと周りに笑いかけ、足早に去っていく奏先輩。
その後も、
「キャーーー!!遠山様〜〜〜、こっち向いて下さ〜い!」
とか、
「秋様〜〜!かっこいいーーー!!」
とか、
「夕君、葉君よ〜〜〜可愛い〜〜!!」
とか、
「桐都様〜〜〜!素敵です〜〜」
とか……
その後も、暫くはその騒ぎがやむことはなかった。