毒舌姫と俺様クールな王子様
水崎の方へバッと視線を戻すと、
フッと鼻で笑われ、呆れているかのような、馬鹿にしているとも言える顔で、
「案外、鈍いんだな」
何ともムカつく冷笑で言われる。
全く気付かなかった私には、ちょっとしたダメージが来る。
「うっ……」
何か言い返したかったが、何とも弁解し難い事実なので、悔しさに水崎を睨む。
「おい、それ以上ブサイクなりたいのか」
またもや、人を愚弄する言葉。
言い返したいのは山々だか、ここにいる人達は、正に美形。
ただただ睨む、そして、アッカンベーをして、たまたま近くにいた秋先輩の後ろに隠れる。
水崎は不機嫌そうにこちらを見ている。
「はいはい、それよりさぁ――」
そんなことはお構い無しといった感じで、桐都先輩が動き出す。
「「早く行こーよ」」
待ちきれないといった風に、双子君たちも立ち上がる。