毒舌姫と俺様クールな王子様
「そう怒るな、たかがデコピンしただけだろ?」
と、シラッと言うので余計に腹が立った。
「けっこう痛かったんですけど?」
何て反論したけど、水崎の方は聞いてないようだった。
「ムカつく…」
ボソッと言ったが、少し聞こえたのか、睨まれた…
「それより、お前に話し忘れた事がある。」
「話し忘れた事?仕事、あれだけじゃないんですか?」
何だろうと思い首をかしげながら続きを待った。
「今日からお前助手な?」
………は?
助手って、あの色々と大変な事するやつ!?
「何で私がそんなこと!」
もう無表情が崩れていたが気にしない。
水崎は水崎で、クールな表情のまま、私を見下ろしていた。
そして、
「つーか、お前に拒否権ないから。」
なんて、俺様発言をしだした。
これを普通に言う水崎に恐れを通りこし、尊敬してしまう。だが、私も負けたくはない。
「はぃ?ふざけるのは顔だけにして下さいよ」
私が少し挑発的に言うと、水崎のクールだった顔は崩れなかったけど、眉がピクッと吊り上がっていた。
「…!?もう一変言ってみやがれっ!!!」
怒っている時の顔もそれはそれは、カッコよくて、余計ムカついた…
「何度でも言ってあげますよ、先輩?」
私がそう言った後には何故か周りから笑いが溢れていた。