DOLL
それを見送ってミグレが呟く。

「フッ、ガキの扱いに馴れたものだろ?ヒノト」

「…感謝する」

不敵に笑い、ミグレも歩き出した。


去り際に振り返ってヒノトを見る。

「高見の見物でもしてて下さいよ、魔王」


そう言い残して部屋を去って行った。







「ご飯食べたぁい」

「…………。」


同じ言葉を何回聞いただろうか。



ベッドにぐったりしながらユラはずっと呟いていた。

それをベッドの隣で座りながら聞いていた。

「ご飯………」

切なそうに発するその言葉を後ろで聞く。


(てかマジで出てく気ないんだ…)


ヤナのそのため息はユラには聞こえていない。

この不思議な空間に嫌気がさした。


「分かったよ!買ってくるよ!!」
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