秘密なこと
「ったく……ほらっ!!」

グイッと手を握られ、引っ張られた。


《手…つないでる!!》

しかも雅也はさりげなく、私の歩くスピードに合わせてくれている。


さっきまで沈んでいた気持ちが嘘のように晴れやかになる。


「ほら、ここはどう行くんだよ?」


「あ…右に曲がって…

あの赤い屋根が私の家。」


「へえ…ここが…」

雅也は私の家を見上げてる。


すると突然、ガチャリと玄関が開いて…


「……お帰り。美香ちゃん…」


校長先生(兼お姉ちゃんの婚約者さん)がひょっこりと顔を覗かせた。
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