秘密なこと
「まだ彼氏じゃないみたいよ。まだね。」

お姉ちゃんがニヤニヤしながら雅也の分のお茶を持ってきた。


席に座ってお姉ちゃん達の話を聞く。

「実はね…結婚を内緒にしてほしいっていうのは、問題があるからなの。」


「問題…?」


「うん。教師同士が結婚する場合、片方が異動か退職をしなきゃならないの。私も退職する気だったんだけど……」


「後任の保健医がきまらなくてね…。必死に探してるんだけど…」

校長先生は、お茶を冷ます振りをしてため息をついた。

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