秘密なこと
「それでお前は高校でも同じことが繰り返されると思って、素顔隠してんのか?」


コクン…と頷く。


「はぁ…くっだらねぇ…」

「なっ!?」


「くだらねぇよ。お前、過去に縛られすぎ。後ろ見て歩くな。前見て歩け。
後ろ見て歩くと、いつか転ぶぞ?

過去は過去だろ?」


「何よ…高橋君は私の気持ちがわからないからそんなこと言えるのよ!

空気のように…まるでそこに存在しないようにされる気持ちがわからないから…!」


「ああ、わからないね!

そりゃあ空気みたいに扱われたら、苦しいだろうよ。俺にはわからない痛みだろうよ!

けど…そんなことが高校でも繰り返されるって根拠はねぇだろ!?」


「………だけど!」


「少なくとも!俺はそんなふうには接しない。空気みたいに扱わない。」
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