秘密なこと
離陸してから三十分後……


私は乗り物酔いが辛いということを身を持って体験している。

「うぅ…気持ち悪い……吐きそう…」

私が何度目かわからないこの言葉を繰り返していると、亮さんが

「ったく、ほら、こうして寝てろ。」


と、私の頭を亮さんの肩にもたれさせた。

「わ…悪いですよ!!」


「俺は大丈夫だから。

それに撮影が始まってもまだ気分が悪いとか言われたら困る。

寝てろ」


「……はーい…」

亮さんの肩に寄りかかって、瞼を閉じた。

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