秘密なこと
鼻をくすぐる、亮さんの香り


耳に届く、亮さんの呼吸音


肌で感じられる、亮さんの肩のゴツゴツした感じ



それぞれに意識が集中しながらも、私は次第に意識を遠ざけていった。




「LIR…LIR…!!もうそろそろで着くぞ」


「……ん。わかりました…」


寝起きだからか、少しかすれた声しか出ない。


目をこすりながら身を起こして、お礼を言おうと亮さんの方を向く。


「亮さん、ありがとうございました……ってどうかしました?暑いんですか?」


「いや、何でもない!!沖縄だから暑いのかもな〜」

ははは…と乾いた笑いが響いた。
< 156 / 194 >

この作品をシェア

pagetop