秘密なこと
「もう…お姉ちゃんってばうるさいんだから…。」


教室に戻る前にトイレに寄った。


鏡の前に立つ。


「そんなにブサイクかなぁ…?でもこのくらいしないとね!!」頬をペチンと叩くとチャイムが鳴った。

慌ててトイレから出て教室へと向かう。



ガラッ!

まだ先生は来ていなかった。


席に着くと同時に高橋君が私の所にやって来た。



「おいブサイク。」



「…何?」



「さっき何言ってたんだ?」



「さっき…?」



「下駄箱で。俺が女に囲まれてるとき。」



「………別に、何も言ってないけど?」



「雅也〜?そんな子に構ってないで話そうよぉ♪」派手なメイクをした女の子達が手招きをしている。



「呼んでるよ?」



「チッ…。今はここまでにしといてやるよ。………お前ってホントにつまんねー。ムカつく。」
高橋君はそのまま女の子達の方へと向かっていった。


「ムカつくのはどっちよ…。」去っていく背中にそう呟いた。
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