秘密なこと

朝のホームルームが始まると、高橋君と派手なメイクをした女の子達も大人しく席に戻って行った。


そしてそのまま授業が始まる。



「…でここにＸを代入してＹを…」
私は真面目に黒板に書かれたことをノートに写していた。

モデルをやる際の親からの条件が
『何があっても勉強第一！』だったので、成績を下げる様な真似はできない。


突然、ポケットに入れていた携帯が震える。



先生にバレないように携帯を開くと、メールが届いていた。


《マネージャー？どうしたんだろう…。》

メールを読んでいく。


『LIRごめん！
今日の撮りが早くなっちゃった！
だから学校を早めに早退してくれる？迎えに行くから！

あと３０分以内に早退してね♪』



…読み進めるうちに悪い予感はしてたけれど、ここまでとは思っていなかった。


《あと３０分かぁ…。ギリギリこの授業には出ていられるな。》


再び黒板に顔を向けて集中する。